※ゲームのネタバレが含まれます。
HazeDenki株式会社のプログラマーを担当しているHAYAOと申します。
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ゲームも発売したので、少しネタバレが入るような所の開発話をちょいちょい出して行こうと思っています。(↓前回)
今回は、ゲームの根幹の処刑演出について書こうと思います。
ノベルゲームの演出。今回、プログラマーの自分に大きく裁量が与えられた部分でした。実装する人間が自分のみなので、必然ですね。
何が出来て、何が出来ないのか。それらは全て自分の力量に依りますし、頭の中の演出は提示しなければ話が始まらない。そして、それらはにゃるらが脚本を執筆する中である程度イメージしたものに合致していなければならない。
ノベルを活かす演出とは
ノベルを邪魔しない演出とは
求められる作品のイメージに合う演出の選定と開発に最も時間を使いました。
中でも、特に長い間考えていたのは処刑演出の部分でした。今回は処刑演出の部分について、演出を固めるまでの開発記事となります。
まず、処刑演出の初期メモ書きをそのまま貼ってみます。今見てみると、何もかも違いますね。
最初はミニゲーム的なものになると考えていたのです。
■ミニゲーム案出し
・有名な処刑方法に関連させる
・各キャラの末路に関連させる
・論破、告げる瞬間にミニゲームが入る
ミニゲームについて 元ネタがあるといい。 射撃・有名な処刑方法をパロディする アイアンメイデン、木の上に正座させる、▽木馬、水攻め
■キャラ別メモ
・冷川:火責め・水攻め
水の底に沈む
言葉で火だるまになっていく。そして水に飛び込む
作品を論破するようなUI
・伊草:磔刑
虫->標本->磔にしていく。
ボタンとトンカチが連動して、どんどん串刺しにしていく
蛾のような友人を羽ばたかせてあげよう
・天竺牡丹 アイアンメイデン、冷凍、ホルマリン漬け、蝋人形
「永遠のヒロイン」にしてあげる
・ドクダミ:生き埋め
処刑無し
助けてくれと言っているのを見捨てるだけのゲーム?
・両親:決闘
互いを殺しあうために煽るのが特殊。
・冒頭の同級生
心にメスを入れる
劣等感の言葉で首を落とす
ナイフで刺していくイメージ
ダンガンロンパみたいになっちゃうな
尖った言葉が浮いていて、それをクリックすると刺さるみたいな
トドメはマウス長押しするようなインタラクション
ギロチンとか
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しかし、実際に各キャラの末路の脚本が出てくると、どうも上記のミニゲームなんてノリにはならない。
初めてメインキャラの処刑シーンのシナリオが出たのは、天竺牡丹で、2026/4月のことでした。
プレイした方はご存じでしょう。静かに死へと進む流れからどうやって「ホルマリン漬けのミニゲーム」など入れられるだろうか。
プロローグの同級生を処刑するシーンの演出を含めて全て考え直す必要があり、頭を悩ますことになりました。
頭を悩ます中、プロローグの同級生処刑の一枚絵がマルイノ先生から届きます。

同級生の顔は黒塗りで、目を見開いて苦悩しているようなイラストをお願いしていたのですが、グチャグチャな線に顔が塗りつぶされているという内容に仕上がったことは予想以上に不気味で、素晴らしいものでした。
この絵を見た瞬間に、処刑シーンは"相手の心の中から出てくる言葉"を利用するイメージが浮かび上がりました。アーティスト、イラストの力は素晴らしい。
線と目、ロゴのイメージからアレンジを加えたという事で、目から鱗。

ロゴのシンプルかつ洗練されたイメージに統一していけば、文章の静けさともマッチする演出が出来るという確信がありました。
イメージが頭に出来てから、2,3時間で作成。これが本採用となりました。
演出は、どれだけの時間を費やすかよりも、ひらめきと着想のタネが重要と思い知らされる出来事でした。

ロゴのような青い線が、処刑対象から湧き出てくる。そして、心を読むイメージの象徴である目が開く。
選ばれた選択肢は、相手の心の奥深くまで、真っ赤に染まった線が突き刺さる。
にゃるらからも一発OKを貰い、晴れて処刑演出の骨子が固まりました。一番心の荷が軽くなった瞬間だったと思います。
冒頭の演出が決まっただけで、なぜプレッシャーから解放されたかと言えば、この演出はお久しぶり先生の牡丹CGにも必ずマッチする確信があったからです。

この2シーンで使用できるとなれば、もうこの演出を処刑シーンとして統一するように画面を構成する方針に固めるべきでしょう。作品演出方針の大部分が固まった瞬間でした。
この演出は文字を主役として目立たせ、静寂な独白シーンにも違和感なく組み込める。
更に作品イメージとも統一され、シンプルかつ効果的な演出に仕上がったなと思っています。
開発日記なので、技術的な話をしておくと、この演出は知っている人なら難しい機能でないことはわかるでしょう。
UnityのLineRenderer機能を使用しています。
LineRenderer機能は点と点を指示すればそこに線を引いてくれる基本機能で、区間別に太さや色も設定できます。これをベースに、NaniNovelで演出を呼び出せるようにCustomCommandと制御スクリプトを用意するだけです。
点の位置を配列で指定し、これをDOTWEENで描画する。基本的な処理はこれだけです。アニメーション的演出ながら、コーディング中心で実装出来ることも嬉しいところです。
線の描画の後もウインドウを表示したり、クリックした後の演出を定義したりと色々ありますが、そこは割愛させていただきます。
ミニゲームを実装する案は、説得力のある演出にするために必要な素材の量や工数が比べ物にならない物となったと思いますが、それでも作品にマッチしないものになっていたと思います。
「処刑」という文字からそのまま着想しただけのミニゲーム案。
マルイノ先生や、ロゴデザインの濱先生の発想を下地に決めたLineRenderer案。
シンプルかつスマートな演出を生み出すには、アーティストのデザインに上手く乗ることが重要であると強く思った出来事でした。
以上が処刑演出を固めるまでのザックリとした過程でした。
書いてる内に、これ閃かなかったら本当にキツかっただろうなあと背筋が冷えました。
無事予定通り発売出来て良かった。。
開発記事はこれからもボチボチ書いていこうと思います。
Patreonの方ではもっと舞台裏を書けたらなと思っています!こちらもよろしくね
HAYAO
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