まず、このようなアニメの実現に奮闘していただけた、Yoster Pictures稲垣さん、ANIPLEX木村さん、そして何より誰よりも胃をキリキリさせながら(今も)奮闘中の中島監督に深くお礼申し上げます。

僕が全話の脚本を書き上げ、改めて中島監督と向き合った際、二人の見ている方向は共に実写映画であった。
ゴダール、キューブリック、ウェス・アンダーソン。様々な映画監督のどこか好きかを伝え、僕の中での作品精神の通底には『時計じかけのオレンジ』へ定まる。中島監督はブルアカアニメの一部を担当し、そのパートでは明確に「映画」をしようとしていた。最近では『死亡遊戯で飯を食う。』の監督もそうでしょうか。アニメで映画をやるとは、に挑戦する人間たちが居る。

この作品には、若さと、それゆえに迸る暴力性が込められている。
『時計じかけのオレンジ』では、余すことなくウルトラバイオレンスが映し出されており、暴力そのものへキューブリックが真摯に向き合った結果、危ない映画として多くの議論が巻き起こった。それはセンシティブなテーマへ何より対等であった証拠に他ならず、だからこそ時を越えて愛されています。
僕がすべきことは、自分にしかできない現代的なテーマ……薬物や性の切り売り、それらを内包するインターネット、延いては人間を、そのまま書き切ることに思えたのですね。なので、今作に対してクリエイター陣の感想に「正直」「剥き出し」というワードが散見されるたび、ノーガード戦法(といっても僕は創作でもエッセイでもなんだってそうだが)がアニメ規模でも遂行され、だからこそ珍妙かつ唯一無二な世界観が成り立っているのだなあと嬉しくなりますね。

というわけで、物語のページは捲られていきます。


かちぇ。
この作品内では最も一般人に近しいポジション。

お久しぶり・制服デザイン。
今まで実は、僕とお久しぶりさんでのキャラデザで2色以上の髪色を採用していなかったので、「ここだ!」とその役目を彼女へと託した。まだちょっぴり成熟しきれていないゆえの、半分。
声優を永瀬さんにお願いしたのは、アニメ的な芝居でなく役者系の低く、ずっと聴いていられる演技が素晴らしかったので。役が決定してからしばらくの間に、永瀬さんは次々と大活躍してビックリ。やはり、あの時点で皆が永瀬さんすごいなあと起用したがっていたのか。
キューブリックへのリスペクトを込め、劇伴のクラシック曲を考えていく作業はすごく楽しい時間でした。好きな曲を好きな場面で流す。なんて心踊るタイミングなのでしょう! Aパートでかちぇが入店してからのBGMの使い方が大好き。作曲はDEDEさんの仕事ですね!
ゲームリリース後、一冊の小説を出した。
拙作『蜘蛛』での主人公は超てんちゃんでなく、一般女子大生だ。何者でもない彼女の視点から見た、陰湿なような青臭いだけなような、陰湿で幼稚だがピュアでもある二十歳前後の大学生ネット民コミュニティについて。
僕の鬱屈の昇華でもある。
意気揚々と上京し、SNSに揉まれ、あらゆるものに嫉妬し、「持たざる者」として葛藤し続けた、青臭い青春時代の。僕は、世界への恨みつらみが思考の大前提です。今作でも様々な怒りが刻まれている。配信者なる現代の煌めくスターに対して、かちぇはただ若さを安く切り売りして小金を稼ぐ、まだ殻を破りきれない雛。
『蜘蛛』の装丁をしていただいた濱さんに、今回のNEEDYアニメでのいろんなデザインを担当していただいています!


彼女のような人物から見た、超てんちゃん。
この対比を画面分割で演出した監督の絵コンテには感動です。1話の絵コンテが全てとプロデューサー・稲垣さんが話していた通り、1話のコンテとまとまりの完成度がトンマナとして以降の全話を引っ張ってくれている。僕だって脚本時は四苦八苦していましたが、それを絵に起こした監督の気苦労もきっと計り知れない。おかげで、僕は身内として手前味噌ながら1話の面白さを非常に気に入っています。これは、いいアニメだなぁ。

監督、また自身の脚本を24分尺でシナリオ化した方々(EDでは個別脚本クレジット)たちは、noteを全て追ってくれるくらいに、僕の言葉を大切にしてくれており、そこへフランス映画的な趣味と相まって、ワードをテロップの形で多用する。これも中島監督の光るセンスですね。


最初に出来上がった背景美術が、モンドリアンモチーフのカラマーゾフの部屋と、絢爛なメリーゴーランドで、このアニメの成功を確信した瞬間です。自身の心象風景が文字を越えて立体化する快感に打ちひしがれています。

思い出を切り売りして、作品として昇華していく。
間違いなく、この作品に自分の30年間が詰められています。
通った場所、眺めた家具、読み耽った本、心動いた映画。
花、色。

緑川さん……。
どうしても「かっこいい声」を想像した時に、一番初めに思い浮かぶ姿がヒイロ・ユイなんです。かっこいい機体なら、ウィングガンダムゼロカスタムになりますね。

超てんちゃんのセリフに影響されて、インタビュアーがどんどん昂っていくのは藤田咲さんのアドリブです。いいよね。一般人視点のかちぇが居るからこそ、小説版と同じく超てんちゃんはすでに人気者。ゲーム版と同じことはしたくなかたので、過程は1話ではすっ飛ばしました。このインタビューあたりのシーンがメルヘンチックで最も気に入っていますね。
ちなみに、この作品には数多くのマリリン・マンソン要素が散りばめられていますが、君は1話でどれだけ見つけられたかな? 是非とも名作『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観てね!

収録時に、ここではピエロがアドリブで「僕のタマをーー!!!」と叫んで、自分としては突然のスクライドに爆笑していたのですが、あまりに面白すぎちゃったのでオンエアでは採用されませんでした。全部持っていきすぎてしまうからね。ナイスなパロディでしたが!

1話完成後、友人の感想が的確で「誰と誰が出会ったりすることなく終わった」と。
そう。ボーイ・ミーツ・ガールも、誰かの人生が好転する素振りもなくこの1話は終わる。無意識でしたね。それぞれが天に向かって各々好き勝手ぶつぶつと言っているだけ。手癖でこれが出てくるのだから、この「つながってなさ」こそ僕の本質的な部分で、アニメーションの形になって自覚したのは「自閉症体験ムービー」だなあと。僕の脳内はこんな感じで毎秒ぶつぶつやっており、それをこうして直で文章化することで毎日のエッセイ投稿を可能としています。
あらゆる点において、独りよがりな1話。すごく気に入っています。いったい、このわがままな彼女たちの運命がどのように交差していくのでしょうね。
タイトルのキラークイーンは、もちろんQueen。
Queenの中でも最も好きな一曲。MVのフレディがね、男と女の境目がまだ曖昧で融けているような危うさと妖しさが堪らないのです。

エンドカードはOMOCAT!
お願いした時点から、絶対に1話の締めは彼女だと、国を越えてやり取りしていた時点で大はしゃぎでした。
thank you OMOCAT! I LOVE YOU OMOCAT!

アニメ1話でした!
僕の中では、常に「何者にもなれなかった自分を嘲笑う社会への怨嗟」と、「目立つ杭を打ち続けて処刑に励む大衆への絶望」が、ぐつぐつと同時に渦巻いてやまない。

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