※本記事は2024年11月7日にNoteに投稿された記事の再投稿です。
特になんでもないショッピングモールへ行ってみよう。観光地ではないからこそ、真の地元らしさに溢れているかもしれない。というわけでシアトルの「ラウンドワンがあるくらいには地元民は行きつけ」くらいのショッピングモールへ。

結果的には多くの学びがあった。まず、開店時間が適当。田舎のジャスコ程度には大きい施設なのに、開店時間から10分くらい過ぎてからのんびりドアが開く。その後に各店舗が準備を始まるため、10時と言いつつ実際は10時15分くらいからお店は動き始める。まあ地元のデパートで誰も急ぐ必要は無いから別にいいんだが。「まあこんなんもんだろ」くらいの感覚が心地よい。
なんといっても、輸入された日本カルチャーがパチモノ天国で無法地帯なことに驚く。店舗によってはオール海賊版。AI生成らしきNARUTOや悟空のイラストをキラキラに印刷してアートと言い張る謎のグッズの嵐! フィギュアは金型を盗まれたブートレグかどうか見定め必須。ある意味で目利きが要るのは面白い。

なんか妙に顔がむかんでいたり肌色が悪かったりするミクちゃんたち。正直、この微妙な不完全さがちょっぴり好みと感じたのはナイショ。
プライズフィギュアの海賊版は防げない。中国の工場を24時間見張るなんて採算に合わず、必ず金型が流出する。超てんちゃんもやられている。まあ、彩色や体型の絶妙なバランスは真似できず、ごらんの有様ではあるけれど。
とはいえ、なんとなく寄ったアメリカ人たちが気にすることも無い。「わお!ジャンプやジブリがお手心価格だぜ!」くらいで散歩がてら購入し、特に微妙さを気にしないまま飾り続ける様子も想像に難しくない。
店員は店員で僕を……日本から来たオタク客を歓迎している。どうやら本気でアニメや漫画を愛しているらしく、海賊版を販売していることとは「これはこれ」精神らしい。

ひらがなで「ごじょうさとる」と書いてある。ここまでくると大量消費社会への皮肉が込められたアートにすら感じられる。店内にはキリストや仏陀のスタチューも並ぶが、クオリティ的に恐らく偽物。偽物のキリストスタチュー。批評性すら感じてくる。
海外で「Tokyo」「Japan」と付くフィギュア・グッズ屋はたいてい黒だ。とりあえず日本とつけばフィギュアが売れる。が、彼らも彼らで作品への愛自体はあるのでややこしい。なんというか……心から「そんな悪いこと」と認識していない。僕も別に怒る気もないし。
英語圏のフォロワーたちも問題視しているようで、

たとえばこの方は「超てんちゃんのフィギュアを正規で購入したら送料で一万円もプラスされる」と実体験を教えてくれた。
現地民たちは、「海賊版への怒り」と同時に「高い送料への悲しみ」に揺れている。「プライズフィギュア一つに数千円の送料を出すくらいなら安いパチモンでいい」といった認識の若者の気持ちは理解し難いという程でもない。もちろん、誰にもどうにもできない問題だけれども。
結局、ジャパニーズカルチャーと言えども、正規の専門店をバシバシ欧米に展開できるほどじゃない。それだけが答えとも言える。沖縄にいた頃、ようやく一店舗だけアニメイトができて大騒ぎだったからね。いつか改善されるといい。
ゲームショップで海外パッケージ版のニディガを見つけた。今月発売の本物。はたして本物の天使は英語圏でどれだけ活躍できるかな? 海外版の隣に偽物のキリスト像を飾ってやろう。


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