趣味のノベルゲームつくるよ!

趣味のノベルゲームつくるよ!

書いた人 : nyalra nyalra

※この記事は2025年6月に投稿したnoteの再投稿版になります


 昨晩の日記で書いた通り、みんなが活躍してくれたおかげで、思ったよりも早くテストとして出してもいい程度の画面にたどり着いた。うれしいぜ。

 お久しぶりさんの立ち絵ラフをいただき、友だちの部屋をざっくり加工して背景に並べてみると、現実世界からふわりとヒロインだけ浮いているミスマッチな印象含め、現時点でだいぶテンションが上ってしまった。四角い画面にヒロインがいて、文字が流れて……という原風景はもはや僕にとって故郷ですから。


 思わず、さらっと手癖で文章を書き、BGMが足りないのは惜しいなあと、Aiobahnへ(〃ノω•͈)チラッとしていたら、30分足らずで仮のオルゴールをつけてくれた。ありがたすぎ。かっこいいぜ。


 やっぱり、シンプルにノベルゲームを作るということ自体が、結果はどうであれ僕の人生で達成すべき儀式です。人間には、宿命があるのです。


 この作品の構想自体は結構前からあって、それを権威側がやるやる言って数年放置され、そのことで揉めたら怒涛の言い訳と逆ギレ後に白紙になり、本当に嫌気が差して結局小規模で友だち達とゆるゆるやっていくことに。僕は精神科へふたたび通わねばならなくなって、精神病へ逆戻り。だいぶ嫌な出来事だったね。


 ということもあって、事情や同じ揉め方を当人とした方々から「それでも作ることをやめないでくれてよかった」とまで言ってもらえました。チマチマとがんばるよ。


 これが一番楽な形だし、僕のお金だから誰にも咎められず好き勝手できるぶん、結果的には一番いいけれども。怪我の功名というか、事態をポジティブに捉えたというか。元より、自由であるはずのインディーゲーム文化に誰かが権力者としてふんぞり返ること自体、僕はどうなんだと思うけどね。


 そういういろいろをバネに、怒りも含めてやっていくよ。目標は来年のアニメ後くらいにリリースして、僕らの作る世界観を複数の角度から覗いてもらえたら嬉しいかなと。ストアページ自体は今年目処やね。スタッフ含め詳細はその時。もう全部書いているような気もするが。乞うご期待。


 ストーリーではなく、製作自体のテーマとしては、「いっさい手加減をしない」ことです。それが商業でない人間たちのメリットですから。もう中年たちの人間関係に苛まれるの嫌だし。戦いは飽きたのさ。



この記事の終わりに、試作用で書いた文章を公開。


 絵の雰囲気に合わせて、その場で書いたものであって、今後の本編なり設定とはあんまり関係ないよ。


 プログラマーの友人が張り切ってくれて、ぬるっと立ち絵に近づく演出がさっそく入っている。これは、いい! こうして「現代のノベルゲームだから可能なこと・演出」も模索していけたらいいですね。



おまけ ※妹清書版まばたきアニメ



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「おにいちゃん、まだ眠らないの?」


 妹の声で、ようやく時刻を意識する。

「おにいちゃん、夜はちゃんと寝たほうがいいよ」


 深夜。

 草木も眠る丑三つ時。オレがいつまでも起きているせいで、彼女まで起こしてしまっているのは申し訳ないが、たぶん妹は嫌がってないんだな。

 お互い学校に行ってないんだから、実のところ、僕らふたりにとって窓の外の時間間隔なんて関係がないじゃないか。関係ない世界の常識を押し付けられる意味もない。


 妹は、ただ構ってほしくて、会話のきっかけに注意を選んだだけなんだ。どんなにいびつでも家族ぶりたいんだ。


 それに、小学生だからこそ深夜まで起きている方が楽しいんだよ。

 だって、同い年のやつらは全員明日の授業のために布団に包まっているんだぜ。


 あいつらは、嫌だ嫌だと言いつつ、どうせ親や先生の言いつけを守って登校するんだ。早起きしてまで、社会の奴隷化の訓練をすすんで行っているんだよ。馬鹿らしい。夜のほうが静かで楽しいことを知らないまま。


 そんな奴隷共に比べて、ウチの妹の佇まいときたら。まったく誇らしいね。自信満々に兄の不健康を指摘するくせして、自分だって学校へ行く気はさらさらないもの。



「おにいちゃん、またアタマのナカで他者のことをバカにしてるでしょ」


「してないよ。むしろ、おまえのことが誇らしいと褒めてやっていたんだ」

「わかるよ。だっておにいちゃん、すぐフツーに生きている人のこと見下して自己正当化するんだから」

「してないよ。仮に近いことを考えていたとしても、それは事実を述べているのであって見下しているとかじゃないからね」


「おにいちゃんは、わたしが居ないと終わっちゃうね」


「それはお互い様だろ。ふたりで引きこもってるんだから、どっちかが居なくなったら自動的に他者が消えて、そいつは独りだけの世界になるんだ。他者が居ないと生きているって言えないよ」

「ふたりだけの世界は、生きているって言えるの?」

「わからないよ。でも、独りだけに比べたらギリギリ生きているんじゃないか。ほとんど終わってるけど。まあオレはそれでもいいよ」


「わたしもそれでいいよ」

「おにいちゃんのそばにいるよ」


 妹は、いつだって皮肉屋だけど、いつだって素直なやつなんだ。まったく変な子だよ。変な子でよかったよな。

 まともな女だったら、年頃の兄貴なんて毛嫌いしてくるだろうし、なにより朝起きて学校に行ってただろうね。忌まわしい目覚まし時計なんてセットして。あのベルの音でオレまで起きて。

 でも、登校している方がえらいから、オレの文句なんて誰にも届かなくて。そうして健常な者たちは、気づくことすらないままオレを排除していくんだ。なんて酷い奴らだ。



「おにいちゃんとわたしは、ずっと二人でゆるやかな自殺をしてるんだね」


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