終ノ空

終ノ空

書いた人 : nyalra nyalra

※本記事は2022年3月に投稿された記事の再投稿版です。

 1999年。インターネットが普及した現代日本では全く以て信じがたいことですが、当時の日本は「ノストラダムスの大予言」によって混沌に包まれていました。

 当時は幼稚園にも通っていなかった自分も、あの異様な空気は、はっきりと覚えています。鼻の手術の関係で入院していた僕の唯一の楽しみは、病室に設置された小さなブラウン管のみ。生活のすべてが病院内で完結する自分にとって、外の世界との繋がりは古臭いテレビだけが担保する。


 どのチャンネルに変えようとも、放送される話題は「終末」について。誰も彼もが真剣にオカルトめいた議論を繰り広げ、『エヴァンゲリオン』の余波も合わさってアニメも映画も鬱屈した画面が続く。1999年上映の『ゴジラ2000ミレニアム』なんかは、分かりやすく世相を反映してバッドエンドを描いた。燃え盛る街の中を蹂躙するゴジラを前に、人間たちは為す術もない状態で物語は終わる。

 日本中が電波に包まれていたんです。病室を照らすテレビも、今にも死にそうな患者の老人が垂れ流しているラジオも、「1999年7の月に恐怖の大王が来るだろう」なんてイカれた毒電波をキャッチ。波動にあてられた日本人たちは、脳味噌が「恐怖の大王」の正体についての考察でいっぱいに! 環境問題、核兵器、彗星……いったい何が原因となるかは分からないが、とにかく地球は滅ぶのだ!!!

 令和となった現在、地球中に蔓延した疫病をきっかけに、再び人々は混乱した。今度は日本だけでなく、世界中がパニックに!


 1999年の方が、テレビやラジオだけで済んで安全だったかもしれない。今では老若男女問わずに誰もがスマートフォンを手にしており、その小さな長方形の物体は日夜電波を受信し続けている。混乱する社会の間隙を縫って毒電波塔は新鮮な毒電波を発信。とうぜん人間たちはスマートフォンから伝播した微量な電流の刺激によって脳味噌が揺らされるわけですが、残念ながら大多数が口元にマスクはすれども頭部のアルミホイル対策を怠っているから、さあ大変。徐々に脳味噌を侵していく波動に気づかないまま今も放置されている訳です。

 そうこうしている裏では、ヒト型爬虫類(レプティリアン)が次々と政府の重要人物たちと入れ替わり、後に一斉に消滅することで世界経済を崩壊させるため用意された電子マネーを人々はありがたがるし、寝ている間に埋め込まれたマイクロチップによって思考が盗聴されていることにも気づかない! 『ゴジラ vsコング』の主役が陰謀論者だった理由も明白。あれは、当事者意識の薄い観客たちへの警告に他ならないんだよね。

 これらが全て繋がってしまう瞬間。来たるべき破滅の時は、もしかするともうすぐそこまで近づいてきているのかもしれない。

 ちなみに、『終ノ空』のリメイク作品である『素晴らしき日々』について、関連要素に「エリック・サティ」、『銀河鉄道の夜』、『シラノ・ド・ベルジュラック』、『荒野のおおかみ』が挙げられることがあるが、実は最も注目すべき要素は、そのどれでもないのです。

 その答えは、実はこの文章の冒頭でも既に言及されている。

 どんなエジプトの神より古く、人類以前から信仰され、狂気と混乱をもたらす旧支配者の一柱。這い寄る混沌「ナイアーラトテップ」。


 『終ノ空』では、第4章の主人公・間宮卓司が混沌と友達になる。這い寄る混沌は暗闇に忍び込む。間宮卓司の狂気は混沌を呼び寄せるのに十分な闇であった。混沌に取り憑かれた卓司は、やがて「終ノ空」を自称するようになる。予環的存在の至り、カラについえるモノ……終ノ空そのものに。



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