いま僕が人生で最も楽しい、安らいでいる瞬間を教える。

昔好きだった遊戯王カードや立体物を眺めている時です。キラキラしていて見ているだけで心踊る。ふと目に入るだけで嬉しくなるので部屋の各所に置いている。『地を這うドラゴン』は、レアカードを傷つけないよう保護用にお店の人が入れていたやつなので別に好きじゃない。
子供の頃、誰なのかは知らない(友だちのお父さん?)おっさんが家に来て、レアカードだらけの遊戯王ファイルを広げてくれた。
もう衝撃である。ファイルいっぱいに溢れるウルトラレアやパラレルレア。パラレル一枚持ってるだけで超大金持ち気分の小学生にとっては宝の山を目の前で見せられていると同義。デュエルでは一切使えないトゥーンのやつらのウルトラですらイラスト的に欲しすぎる! この頃ですら言うまでもなく地を這うドラゴンは要らない。
羨ましい! というか、このおっさんは何なんだ。なぜ子供が集まるカードゲームを誰より真剣にやっているんだ? 海馬かコイツは。30歳くらい歳が離れているんだぞ。そんなの…………最高すぎるだろ!!
そういうタイプのおっさんがカードゲームだけに留まるわけもない。「MGのフリーダムガンダムを塗装したんだぜ」「スーファミのドラゴンボールのレアゲーがまた良くて」と、どんどん子供に夢を見させ続けてくる。貧乏家庭の沖縄のガキにとっては、MGのガンプラなんて一年に一度、クリスマスに買ってもらえるかどうかの大勝負である。僕はどうしてもとウィングガンダムゼロカスタムとサザビーを作った想い出が。羽根のおかげで全てが優雅なゼロカスタムはともかく、サザビーはあんまり動かなくて立体だとなんかアレだな……と感じた記憶もある。
困惑と羨望と悔しさが入り混じるなか、たしかに感じた「こういうおっさんになりてえ」という気持ち。世の中には童心を捨てずに人の親になる者もいるというたしかな希望。不登校で昼間からギャルゲーに勤しむ近所の高校生(僕も学校サボってよく遊びに行っていた)などの存在も合わせ、「こういう人もいる」ことは将来のモデルケースとして僕へ大きな安心感を与えた。
もしかすると、僕がこうしてキラキラのカードやソフビに夢中である事自体が、フォロワーの若者たちに夢を与えてるのかもしれない。こんな趣味のままでも生きていける。
むしろなんか真面目でお硬いことしか言わないビジネスマンたちは全員ウソつきだよ。あいつらも本当は投資や政治の話なんかやめて、ブルーアイズやカオスソルジャーを眺めていたいんだよ。ベイブレード回して四聖獣を召喚したり、壁にめり込むレベルのビー玉を発射したり、速さのために1グラムでもミニ四駆を軽くしたいんだ。色違いポケモンも集めまくりたいだろうね。そんな自分に嘘をついてまともぶってる狂人。地を這うドラゴンのことはマジでどうでもいいだろうけど。
僕なんて20年間、ライダーも戦隊もプリキュアも観続けてきちゃったよ。今更もう観る習慣をやめられない。「社会に出たらライダーベルトを捨てないといけないのかな……」と不安なそこの君、プレバンは大人用に高級ライダーベルトをガンガン出してくるから気をつけろ。給料が手に入った今を狙って20年前の想い出たちが高額で襲ってくる。
僕らは永久にKONAMIやバンダイ、タカラトミーに踊らされているキッズだよ。

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