※本記事は2025年6月15日にnoteに投稿された物の再投稿版となります。
趣味で作っているノベルゲームの英訳版を投稿し、無事に英語圏の人たちから嬉しい反応が届いて喜んでおります。
この記事で解説+ゲーム本文を載せています↓
英語圏のオタクたちによる、情熱的な応援には非常に勇気づけられる。
日本へ向けて情報を発信した際と、リプライの量や盛り上がり方はくっきりとちがう。日本のオタクたちは一言でいうと奥手だ。僕も同じだ。
直接、本人へ称賛や感想を送らず、RTしたあと自分のアカウントでそっと呟くような。静けさの文化だ。応援にしろ、しっとりとした言葉を選ぶ。それも好きだ。
どちらが良いというわけでなく、英語圏の反応は上記の通り感情が豊かだ。僕は、それを「飢え」だと思っている。作品やカルチャーへ飢えているのは良いことだ。
僕の人生観は、かなりの部分でスティール・ボール・ランと一体化している。飢えなきゃ勝てない。
僕は本気で、心の底から「飢えた者が勝つ」と考えているし、それだけを信じていれば必然的に寂しさを持つ者たちとだけ感情を分かち合えるから楽だ。
もちろん、どんな国に生まれたかなんて関係なく「飢えて」いたなら僕はその人へ好感を抱く!
ただ、口を開けて放っておいても無限にコンテンツが供給され続けてしまう我が国のオタクが「飢えにくい」とも認識し、その差に興味関心があるのです。
いろいろと悩んだ結果、妹から兄への呼び方は英訳版でも「Onii-chan」を採用した。そもそも僕はシスプリにだいぶ熱中していたガキなので、妹からの呼ばれ方には一家言ある方だ。
僕は「兄チャマ」か「兄や」でいいんだが。シスプリの英訳はじわじわ面白いのでたまに眺めている。
Wikipediaに、こんな項目があるのが面白い。ゲッターとパトレイバーに挟まれちゃってるのも面白いし、13番目のオリキャラの妹がしれっと混じっているのも時代を感じて趣がある。漢字だと翻訳を諦めて被りがあるのに対し、英訳は全員に違いをだそうと頑張っている。elder brother。
でも、どうしたって「bro」と呼んじゃう時点でアメリカンな印象がでちゃうんだな。どうもなんだか活発に思えてしまう。それは英語圏の兄妹の関係性が「家族」であって上下が薄いのもあるのかもしれない。先輩・後輩も無いのだし。上下が年齢じゃなくて実力性なのはメリット・デメリットが極端ですごいぜ。
で。まあ、向こうの人たちも日本人が生み出した妹観をもっとダイレクトに受け取りたいと思ったのか、そのまま「Onii-chan」と呼んでもらいたいオタクが台頭。Vtuberの配信でも、英語圏のオタクが日本人のキャラクターに「Onii-chanって呼んで欲しい」とキモオタ丸出しのコメントを贈る様も珍しくない。
ある意味ではリスペクトである。日本語の発音自体が、向こうだと幼さを感じてかわいく見えるってのもあるだろうね。chanの部分も可愛いし。要するに、英語圏の彼ら彼女らも「Onii-chan」が最上だと辿り着いちゃっているわけだ。
日本だって、シスプリの代表キャラクター可憐は、兄を「お兄ちゃん」と呼ぶ。いや、でもね『ライ麦畑でつかまえて』のフィービーはホールデンを「兄さん」と呼ぶのがいいんだ。あなたたちの国が生んだ至上の妹キャラクターがそう言っているんだ。いずれは、あなたたちも「兄さん」の質感を翻訳できるようになると良い。
ちなみに、原文だとフィービーは敢えて兄を「ホールデン」と名前で呼んでいる。これは素晴らしいことだよ。ただ、日本で兄を呼び捨てだと、また違った感じ方になるので、「兄さん」を採用した。この駆け引きが数十年前から発生していた事実に想いを馳せる。
つまるところ、この世界では、まだまだカルチャーが発展する余地がある! 妹からの呼びかけひとつで、こんなに彼らは議論をしてくれるのだから。
僕は、これらを抽象的に「飢え」だと解釈している。
こちらの事情になるけれども、僕は今回のノベルゲームの製作体制を構築するにあたり、とんでもなく痛い目を見た。それこそ精神病を患い、医者から療養を命じられるくらいに。
権力を持った人間の怠惰と暴力性に怒りを覚え、そこから脱出しなければと独りで作ることを選び、そこへ過去のスタッフたちもこうしてついてきてくれた。それも全員。もう一つ、大きな作品を企画中。同じく揉めて圧力をかけられてしまった仲間は「またいっしょにゲームを作れるなんて」と泣きそうなほどに歓迎してくれた。僕らには怒りと飢えがある。
多くの偶然が重なり、僕は英語圏のオタクたちと直接コミュニケーションできる席に座った。偶然が活かされてしまえば、それは運命となる。
彼らが独自に発展させているカートゥーンやVtuber文化に、僕も多大な興味がある。どうせ来年のアニメ後は、あまりに大きな物語を達成したことで日本だけでやることは無くなるし、世界と融和していきたい。
ノベルゲームがもうちょい進めば、英語圏向けのブログとDiscordサーバーを設立し、ゆるやかにコミュニティのようなものができていけばいいなぁと、それが今の夢です。みなさんも、興味があればいつだって声をかけてね。
僕らが現実世界で感じている悲惨の線を、世界へ残していくのだ。
「おにいちゃんは、わたしが居ないと終わっちゃうね」
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